秋の夜長に。個人的に記憶に残る小説3選。

皆さん、本って読みますか?当方は、学生時代は結構読んでいたんですけど、最近は近くに本屋さんがないこともあって、めっきり読む機会が減っちゃいました。

読むジャンルとしては小説が多いっす。ビジネス書は、タイトル詐欺みたいなことが多いのと、途中から同じようなことばっかり繰り返している本が多くて最後まで読み切る気にならないので、ほとんど読まない。

そんな中、はてなブログの今週のお題が「読書の秋」ということで、今まで読んだ小説の中で記憶に残っている小説を3つチョイスしてみた。

夏の庭

まずは、湯本香樹実さんの「夏の庭」。中学生の時に、夏休みの読書感想文の課題で読んだ本。はるか昔に読んだ本なのに、未だに記憶に残っているということは、それだけ自分の中で得るものが多かったんでしょうね。

あらすじ

小学6年生の「僕」(木山)は6月のある日、山下という太ったクラスメイトが祖母の葬式に出席したという話を聞いてから、「死」について考えるようになる。すると眼鏡をかけた友達の河辺が、近所に1人で住んでいるおじいさんが死ぬのを目撃しようと提案し、3人はおじいさんの生活を見張ることになる。初めはこっそり見張っていた3人だったが、夏休みに入ると、やがておじいさんと顔を合わせ、話すようになり、成り行きからゴミを出したり洗濯を手伝ったり庭の草むしりをするようになる。作業を通じて、3人とおじいさんは親しくなっていく。(Wikipedia

「死んだ人を見てみたい」という少年たちの些細な欲望から、「生きるとは何か?」という果てない主題について考えさせられる本。

この本では、それぞれ事情を抱えた少年たちが、おじいさんと触れ合うことによって、それぞれが悩みながらも自分なりの道を見つけていきます。その姿と、美しくパッと咲いて散っていく花火の傍らで次々と打ち上げられる花火の姿を重ねた表現は見事というか、「生きるって、そういう意味もあるんだ」ということを教えてくれた本です。

小学校高学年~中学生向けの本ということもあり、分量も少なく文章も平易なので、久しぶりに読書してみるかーと思われた方のリハビリにはちょうどいいかと思います。

夏の庭 20刷改版 The friends (新潮文庫) [ 湯本香樹実 ]

価格:464円
(2017/10/2 21:38時点)

秘密

次に紹介するのは、東野圭吾さんの「秘密」。有名だし、映画化やドラマ化もされているので、ご存知の方も多いと思いかと。

あらすじ

杉田平介は自動車部品メーカーで働く39歳。妻・直子と11歳の娘・藻奈美との3人で暮らしていた。

1985年冬、直子の実家に行くために、直子と藻奈美の2人が乗ったスキーバスが崖から転落してしまう。直子と藻奈美は病院に運ばれたものの、直子は死亡してしまい、藻奈美は一時は回復不能といわれたにもかかわらず、奇跡的に助かる。しかしそれは、仮死状態になった娘・藻奈美の身体に、死んでしまった妻・直子の魂が宿っていたのだった。藻奈美の身体に宿った直子に、平介は戸惑いながらも周囲には決してバレないように生活する。(Wikipedia

娘の体に妻の魂が宿るという、夫からしたら、とんでもなくつらい状態ですよね。

「秘密」っていうタイトルが、上記のあらすじにもある通り、魂が入れ替わっていることを周囲に秘密にしながら生きていく…という意味だと思っていたんですが、最後に本当の「秘密」の意味が明らかになります。東野圭吾さんの本ってこういうの多いんですよね~。分かっていながらも、毎回やられます。笑

純粋に小説として面白いので、ぜひ読んでみてください。

秘密 (文春文庫) [ 東野圭吾 ]

価格:788円
(2017/10/2 21:44時点)

流星ワゴン

最後は、重松清さんの流星ワゴン。当方、この本をきっかけに重松清さんにハマり、一時期は重松清さんの本を読みまくっていました。他の本ももちろん面白いんですけど、やっぱりこれが一番好きです。

そういえば、これもドラマ化されてましたね。西島秀俊と香川照之が親子役っていう衝撃のキャスティングでした。笑

あらすじ

永田一雄は死んじゃってもいいかな、と思っていた。

仕事はリストラ・妻からは離婚・子供は受験失敗で引きこもり。地元で入院している父親を見舞に行った時に貰える交通費の余りで何とか暮らしている有様。その父親も癌でいつ死ぬかも分からない。父親の見舞帰りに駅で酒を飲んで酔っ払っていると、ロータリーに1台の車が停まっている事に気が付く。その車には5年前、偶然見た新聞の交通事故の記事で死亡が報じられた橋本親子が乗っていた。言われるがままにその車に乗り込む一雄。そしてその車は一雄を、人生の分岐点へと連れ戻す。

降り立ったのは、仕事の途中で妻を見かけた日。他人の空似だろうと仕事に戻ろうとした所に、一人の男が目の前に現れた。一雄はその男の事を、よく知っていた。

その男は今の自分と同い年、38歳の時の父親だったのだ。(Wikipedia

タイムスリップしながら、嫌いだった父親や、理解できない自分の子供や妻の知られざる一面を知っていく…という本です。

特に、父親(チュウさん)との関係が印象的です。親って、子供からすると、常に正解を知っていて、絶対的に正しい存在じゃないですか。だからこそ、自分の考えを理解してくれなかったり、意見を否定されたりしたときに、堪えきれないフラストレーションがたまるというか。

でも、親だって当然人間で、悩みながら生きているんだなと。子供のことを何よりも考えて生きているのに、別の人間である以上、子供のことを全て理解するなんて不可能なわけで。すれ違いが生じるのは親としても辛い。でも、子供が何か求めた時に、親は親としての責任をもって、自分なりに考えた答えを子供に示しながら、時には迷いながら一生懸命に生きているんですよね。

そういう、「親と子」の関係について考えさせられた本です。この本を読んでから、親に優しくしなくてはいけないな、と思った次第です。笑

流星ワゴン (講談社文庫) [ 重松清 ]

価格:788円
(2017/10/2 21:45時点)

以上、個人的に記憶に残る小説3選でした。この3つは全部面白いと思うので、ぜひ読んでみてください。