最近のJALとANAの制度改定に見るマイルの今後。

最近、JALとANAでそれぞれマイルに関するルールについて割と大きな改定があった。なんだかマイラーや修行僧にはどんどん厳しくなる世の中なのである。そのお話。

JALは特典航空券PLUSを導入

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JAL国際線特典航空券PLUS導入のお知らせ - JALマイレージバンク

JALは、12月4日から特典航空券のルールを変更した。細かい点はいくつもあるんだけど、ざっくり重要なポイントだけを言うと

  • 特典航空券に必要なマイル数が変動制に
  • それに伴い、キャンセル待ちがなくなった(予約時に即確定

というところ。

必要マイルが実質増える?

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これまでは、必要なマイル数は目的地に応じて一定数だった。その代わり、特典用に割り当てられている座席数も限られており、それを超えた場合はキャンセル待ちをするしかなかった。

これに対し、これからは特典用座席をオーバーしている場合でも、追加のマイルを支払えば予約が可能になった。

なんかこれだけ聞くと特典航空券を利用できるチャンスが広がったからいい改定のように聞こえる(実際JALもそういうアナウンスをしている)けど、追加マイルをいくらに設定するかはJAL次第なわけで、ちょこっと調べてみるとかなりえげつないプライシングをしてくる。

特に、GWなんて片道で数十万マイルを要求してきたりして、そのマイルをe JALポイントにしたら往復ビジネスで買えますけど?ぐらいの値段だったり。まあ、元々GWに特典航空券を使うなんて出来なかったからそう考えると改善なのかもしれないけど…。

「いくら貯めれば特典航空券が取れるか分からなくなった」という意味で、特典航空券狙いでマイルを貯めるのは結構難易度が上がったと言えるかもしれない。閑散期ならまだいけそうだけど。

ANAはプレエコのブッキングクラスを変更

ANAは、突然プレミアムエコノミーに新しいブッキングクラスをぶっこんできた。

www.ana.co.jp

ANAのプレミアムエコノミーは、これまではマイル・PP積算率が共に100%だった。しかし12月6日以降発券分については「ブッキングクラスN」を設定。

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で、このクラスN、マイル・PPの積算率が70%になる。

プレエコはコスパの観点から修行僧に大人気。しかし、これからは貯まるPPが3割減なので、より多くのフライトをこなさなければいけない。

しかもこれ、発表したのが12/4なのに適用されるのが12/6からっていう容赦のなさ。まあ元々が美味しい設定だったとはいえ、このスピード感はすごい。

思うこと

この2つの改定を見て思うのは、JALはマイルをより早く消費させる方向に、ANAはマイルを貯めにくく(+修行僧を制限)する方向に行っており、方向は違うけどいずれもマイルに制限をかけつつあるということかなあと。

特にANAなんかは某ブログのおかげで修行僧が爆増しただろうし、そうでなくても陸マイラーはかなりの数が増えていることは想定される。そのため、いつ制限がかかってもおかしくない状況にある。

マイル制度というのは航空会社のさじ加減でどうにでもできるものである以上、マイラーは常に制度変更の覚悟をしなくてはいけない。制度変更がなされるたびに、マイラー達は日々色々な知恵を絞っているわけだけど、今後はどう考えても規制が緩くなる方向にはいかないだろうし、今はまだ徐々にだけど、ある日突然に抜本的な改革がなされる可能性もあるわけで。そういうことを踏まえると、マイルを貯めるのが本当に得か?とは断言できない状況なわけで、マイルを貯める事が本当に自分にとっていいのか改めて考え直さないといけないのかなあと、そういう気がしているのである。